宮武外骨

「相模」とは東海道の一国である、「仲條」とは氏族の称である、「七両二分」とは旧貨幣の数量、「猫」とは家畜の一種、とするのは普通知識である、然るにこれを古川柳作家は、淫奔下女を「相模」と云ひ、堕胎専門女医を「仲條」と称し、奸通を「七両二部」、売春婦を「猫」と呼んで居る、 熱血的「赤」雑誌生る!!過激か穏健か破壊か建設か、赤は改命の標章なりと云ふと雖も、官僚の機関警察の球燈検事の肩章は赤にあらずや、美人の腰巻もまた赤にあらずや、我「赤」は赤裸赤誠の赤と我国旗の中心色たる赤の標章なり。